昔、耳の手術をご経験された方、もう聞こえはダメだとあきらめていませんか?
数十年前に行われた耳の手術は、耳漏の停止を目的とした手術で、むしろ聞こえは犠牲にされることが多く、手術後に聞こえは悪化してしまう例がほとんどでした。しかも耳漏が再発することも少なくありません。また、当時の多くの手術が局所麻酔で行われた上、傷も大きかったため、手術中あるいは手術後の処置の際にかなり痛い思いをされたご経験をお持ちの方は多いことと思います。
このような嫌な耳の手術の思い出をお持ちの方が、また手術して聞こえを良くしようというお気持ちになるにはとても勇気のいることだと思います。
しかし、手術も麻酔も昔とは格段に進歩しています。今では、耳の手術は顕微鏡下で行われるため、傷も小さく痛みもさほどありません。手術によっては全身麻酔が必要ですが、昔と異なり今日での全身麻酔はとても安全なものとなっています。全ての方が手術で良くなる可能性があるわけではありませんが、私の経験では再手術で聴力改善が望める方が少なからずいらっしゃいます。
もし、お悩みでしたら一度ご相談下さい。手術によって聴力改善の可能性がないか診察させていただきます。
鼓膜の孔(あな)を放置していませんか?
鼓膜に孔(あな)開いているということは、細菌が中耳に入りやすく中耳炎を起こしやすい状態であるということが言えます。このような状態で中耳炎が起きてしまうと耳だれが出てきます。多くの場合、耳だれは抗生物質で止めることができますが、鼓膜に孔(あな)が開いたままだと耳だれを繰り返し生じるようになったり、抗生物質が効きにくい細菌(耐性菌)が感染すると耳だれがなかなか止まらなくなったりすることもあります。
また、鼓膜に孔(あな)が開いていると聞こえが悪くなります。孔(あな)が開いた状態が長く続くと、音を伝える耳小骨の動きが悪くなったり内耳の神経が障害されたりして、さらに聞こえが悪くなっていきます。このような状態を慢性中耳炎といいます。
鼓膜の孔(あな)は手術で閉鎖することが可能です。孔(あな)が閉鎖すると、耳だれが出ることがなくなりますし、多くの場合聞こえも良くなります。手術では、残っている鼓膜を伸長させ閉鎖させます。したがって完全に閉鎖した鼓膜は自分の鼓膜です。人工鼓膜ではありません。
中耳炎手術実績
耳の手術においては全国トップレベルの一つとされる宮崎大学耳鼻咽喉科教室において、とう院長は長年にわたり多くの臨床経験を積み手術技術を研鑽してまいりました。
日本耳科学会においては、若手医師に対して技術向上のために行われる手術手技セミナーの講師に二度(平成20年、22年)選任されました。
また、福岡大学臨床教授、宮崎大学医学部医学臨床教授に任ぜられています。耳の手術につきましては、最高水準の医療技術を提供できるものと自負しております。どうぞご安心してお任せください。
当院の中耳手術症例 | |||||||
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H26年 | H27年 | H28年 | H29年 | H30年 | R1年 | 総計 (H24~R1) | |
慢性中耳炎 | 58 | 52 | 65 | 81 | 82 | 85 | 525 |
真珠腫性中耳炎 | 11 | 17 | 21 | 23 | 24 | 25 | 137 |
中耳炎手術例 | 22 | 17 | 16 | 16 | 15 | 13 | 140 |
耳硬化症 | 1 | 2 | 4 | 4 | 6 | 5 | 26 |
その他 | 6 | 6 | 3 | 4 | 9 | 10 | 52 |
合計 | 98 | 94 | 109 | 128 | 136 | 138 | 878 |
いろいろな中耳炎の手術方法について動画で解説をしています